「初代Xperiaよりも昔に、VAIO Phoneのプロトタイプが登場していたかもしれない。」
この情報を知っているあなたは、相当な情報通。
そんなあなたは、このページで得られることは少ないかもしれません。
知らないあなたは、さらなるVAIO Phoneの秘密を知ることができるかもしれません。
そんなページ。
機種解説・歴史紹介のほか、Antutuベンチマークのスコア比較なども行っています。
このページでは機種別・発売年別に歴代VAIO Phoneを確認できます。
VAIO SmartPhone(プロトタイプ)
スペック
OS | Android 2.1 |
SoC (CPU) | Unknown |
メモリ | Unknown |
ディスプレイ | 5.5 インチ |
ストレージ | Unknown |
サイズ | Unknown |
重量 | Unknown |
VAIOがソニーから分社化した2014年よりも前に登場していたとされる、幻のVAIO Phone。
プロトタイプとして登場していたと言われています。
Android 2.1を搭載し、当時としては大型な5.5インチディスプレイを搭載していた本機ですが、注目したいのはその機構。
2段階のヒンジ機構を備え、最初にディスプレイを平らにスライドさせてから上に傾けると、フルサイズキーボードが擦り出てくる仕組みになっています。
このキーボードには、小さいながらもAndroid 2.1で使用される物理キーや検索ボタン、ファンクションキーも備えており、キーボードを搭載した一部のXperiaとは一線を画す匠意に。
背面にはカメラを搭載しているほか、VAIOロゴが中央に鎮座。よく見ると、下部に”Prototype”のバッジも備えていて、ソニー製スマートフォンの実験機だったことが見て取れます。
ラバー製の滑り止めやMini-USBポートなど、現代のスマートフォンでは珍しい装備を備えたプロトタイプのVAIO Phone。
残念ながらそのDNAは、初代VAIO Phoneには引き継がれませんでした。
詳細はお蔵入りXperiaの歴史からどうぞ。
VAIO Phone
スペック
OS | Android 5.0 (32bit 駆動) |
SoC (CPU) | Qualcomm Snapdragon 410 1.2 GHz Quad-Core 32bit (MSM8916) |
メモリ | 2 GB |
ディスプレイ | 5.0 インチ 1280 x 720 ピクセル |
ストレージ | 16 GB |
サイズ | 141.5 x 71.3 x 7.95 mm |
重量 | 130 g |
2015年3月に登場した初代VAIO Phone。
VAIOの名前がついたスマートフォンとしては、プロトタイプを除けば史上初。
しかし、VAIO側は名前を貸しただけで、商品の企画・販売は実質的には日本通信が行ったとされています。
開発と製造は台湾のQuanta Computer社が行っており、VAIO Phoneと名乗っているものの実質的にVAIOはほぼ無関係といえる機種。
本来であれば機種解説を行いたいところだけど、この機種には実は色々な問題があって…
①VAIOはほぼ無関係
先述した通り、開発と製造は台湾メーカー。実質的な商品企画・販売は日本通信が行ったと言われていて、VAIOどこ行った状態。
VAIO要素といえば、気持ち程度にVAIOオリジナル壁紙が一枚プリインストールされている程度。
はたから見てもVAIO要素ほぼ皆無なスマートフォン、それが初代VAIO Phoneだった。
②製品発表はまさかの「箱」だけ
製造トラブルにより発売が遅れ(これも問題だけど)、製品発表会ではまさかの「箱」だけの公開となった。
報道各社を呼んだプレスリリースで、箱だけ公開する会社がどこにあるのだろうか。
いや、ここにあった。
結果、製品発表会を終えてもVAIO Phoneのデザインやスペックは謎に包まれたままに。
これが消費者の想像を掻き立て、期待を過度に煽ることになったんだけれど…
③パナソニックの「ELUGA U2」と瓜二つ
ようやく詳細が判明したVAIO Phoneですが、またまた批判を浴びる事態に。
なんと、パナソニックのELUGA U2とデザインやスペックが瓜二つだというのです。
両機種を比べてみると…
モデル | VAIO Phone(VA-10J) | ELUGA U2 |
OS | Android 5.0 | Android 5.0 |
SoC(CPU) | Qualcomm Snapdragon 410 (MSM8916) | Qualcomm Snapdragon 410 (MSM8916) |
メモリ | 2 GB | 2 GB |
ディスプレイ | 5.0 インチ 1280 x 720 ピクセル | 5.0 インチ 1280 x 720 ピクセル |
ストレージ | 16 GB | 16 GB |
サイズ | 141.5 x 71.3 x 7.95 mm | 141.5 x 71.3 x 7.95 mm |
重量 | 130 g | 131 g |
カメラ | メイン1300万画素 / 内側500万画素 | メイン1300万画素 / 内側500万画素 |
センサー類 | GPS / 加速度センサー / 近接センサー / 光センサー / デジタルコンパス | GPS / 加速度センサー / 近接センサー / 光センサー / デジタルコンパス |
SIM | シングルSIM | デュアルSIM |
対応バンド | LTE(2000/1800/800MHz) / 3G(2100/800MHz) | LTE(2600/1800/900/700MHz) / 3G(2100/800MHz) |
バッテリー容量 | 2500mAh | 2500mAh |
カラー | 黒 | 白 |
価格 | 約48,000円 | 約30,000円 |
この通り、デザインもスペックもほぼ同じといっていい。
大きな違いはデュアルSIMかシングルSIMかだけど、単に機能が潰されているだけと思われます。
対応バンドについても同じように機能が潰されているだけかと。
それ以外のスペック上の大きな違いは、カラーバリエーションと価格だけ…
言い方は悪いですが、1万8千円でELUGAにVAIOのロゴを付けただけの機種です。
当然ネットは大炎上。
「ELUGA U2にVAIOのシールを貼っただけ」
「PanaSONYが誕生」
などなど、阿鼻叫喚となりました。
そりゃそうだ。
表立って批評することが少ない報道各社も、これにはさすがに苦言を呈しています。
もはや異例の事態に。
④受領拒否…からの訴訟祭りに
台湾メーカーで製造されたVAIO Phoneの数量は7万台。
その内一部に不具合が発見された状態で納品されたため、日本通信側が受領を拒否する事態になったのですが、それを受けて台湾メーカー側がまさかの訴訟を提起する事態に。
VAIO側も負けじと訴訟却下申し立てを行うとともに、東京地方裁判所へ台湾メーカーに対する反訴を提起。
まさかの血で血を洗う争いとなったのでした。
悪い意味で話題になりまくったVAIO Phoneは、販売店へ不良在庫を抱え込ませるとともに日本通信を赤字へ至らしめることに。
これに懲りた日本通信は、後継のVAIO Phone Biz以降のシリーズからは手を引くことになります。
製造も外部へ丸投げではなく、最終的にVAIO安曇野工場で検査を経てから出荷されるようになりました。
色々な意味で話題となってしまったうえ、類を見ないほどの爆死をかました初代VAIO Phone。
今のVAIOは、初代VAIO Phoneの死体の上に成り立っているのです。
発売日 | 2015年3月 |
発売価格 | 約48,000円 |
Antutuベンチスコア(v5) | 22,000 |
公式サイト | VAIO Phone – b-mobile |
VAIO Phone Biz
スペック
OS | Windows 10 Mobile |
SoC (CPU) | Qualcomm Snapdragon 617 1.5 GHz / 1.2 GHz Octa-Core 64bit (MSM8952) |
メモリ | 3 GB |
ディスプレイ | 5.5 インチ 1920 x 1080 ピクセル |
ストレージ | 16 GB |
サイズ | 156.1 x 77.0 x 8.3 mm |
重量 | 167 g |
「Windows PCとの高い親和性があなたのビジネスを加速させる。」
大爆死した先代VAIO Phoneから1年後、今度はWindows Mobileを搭載したVAIO Phone Bizが登場。
先代からの変更点を挙げると、
- AndroidからWindowsへOS変更
- SoC(CPU)パワーアップ
- メモリが2GBから3GBへ増量
- ディスプレイが大型化&高精細化
- 限定20台 ふるさと納税謝礼モデルが登場
などなど、先代から1年しか経っていないものの割と変更点が多く、順当進化したモデルに。
一方、
- 背面に謎の継ぎ目
- 極太ベゼル
- 販売価格59,000円
といったマイナス面も存在するVAIO Phone Bizですが、発表時点では物珍しいWindows OSやパッと見のデザインの良さが受け、初代よりも好意的な受け取られ方をしていました。
しかし…
価格に見合わぬ微妙なスペック、チープなデザイン
本質の機能を重視し、スタイリッシュなデザインに仕上げたと公言されたVAIO Phone Biz。
しかし、デザインやスペックについては一部で再び批判を浴びることに。
さて、ここで質問ですが、あなたは6万円も払って下の写真のスマートフォンを買いたいでしょうか。
背面下部に電波感度を確保するための樹脂パーツがあるVAIO Phone。
Xperia X PerformanceやXperia XZでも同様の批判がありましたが、
「つなぎ目がダサい」
と感じるのは私だけでしょうか。
一方で、メカメカしいVAIOっぽさが受けている面もあるVAIO Phone Biz。
実際に手にすると高級感があり、格安スマホと一線を画すデザインは一部では高評価となっています。
そんな様々な意見が飛び交うVAIO Phone Bizですが、入手するにはいろいろな手段がありました。
その一つがまさかのふるさと納税。
安曇野市に多額のふるさと納税をすると、謝礼としてVAIO Phone Bizがゲットできました。
というのも、ご存知の方も多いですがVAIO株式会社の本社は長野県安曇野市にあります。
全てのVAIOは、安曇野で専任の技術者が一台ずつ仕上げを行い、最終工程で徹底した品質チェックを経て出荷されています。
安曇野FINISHという言葉は有名ですが、VAIOと長野県安曇野市には深いつながりがあるのです。
必要な寄付額は驚きの金額ですので、是非調べてみてください。
VAIO Phone Biz ふるさと納税 – Google検索
発売日 | 2016年4月 |
発売価格 | 約59,000円 |
Antutuベンチスコア(v6) | 48,000 |
公式サイト | VAIO Phone Biz – VAIO |
VAIO Phone A
スペック
OS | Android 6.0 |
SoC (CPU) | Qualcomm Snapdragon 617 1.5 GHz / 1.2 GHz Octa-Core 64bit (MSM8952) |
メモリ | 3 GB |
ディスプレイ | 5.5 インチ 1920 x 1080 ピクセル |
ストレージ | 16 GB |
サイズ | 156.1 x 77.0 x 8.3 mm |
重量 | 167 g |
「VAIOのスマートフォンならではの「快」がさらに進化。ワンランク上のSIMフリーへ。」
OSがAndroidへ変更されビジネス向けから一般ユーザー向けに方針転換されたVAIO Phone A。
ハードウェアはVAIO Phone Bizから変わらぬものの、Andoidを搭載することでDSDS(デュアルSIM・デュアルスタンバイ)やドコモ回線におけるVoLTEを利用できるようになりました。
ハードウェアが変わっていない所以か、価格は大きく値下げ。
VAIO Phone Bizの半額以下の約25,000円で家電量販店やMVNO各社などで販売されました。
…VAIO Phone Bizから1年経ってもハードウェアは変わらず、正直解説することがありません。
これを最後にVAIO社はスマートフォン事業から事実上撤退しています。
発売日 | 2017年4月 |
発売価格 | 約25,000円 |
Antutuベンチスコア(v6) | 45,000 |
公式サイト | VAIO Phone A – VAIO |
コメント