いまや10万円を超え20万円にも高騰するスマホ。
コスパ云々が叫ばれてから久しいが、減価償却的な目線でコスパを考えたことが無かったため、ちょっと考察してみた。
ちなみに筆者は、これまで3台のスマートフォン(すべてXperia)を乗り換えしている。
スマホの税務上の耐用年数
スマホの価格が10万円を超えると「固定資産」として減価償却することができるが、その耐用年数は明確には決まっていない模様。
税法上の耐用年数の拠り所となる、財務省令である「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」にはスマートフォンとして該当する項目が無いためだ。
インターネット上の記事では、スマートフォンに近い性質のものとして
- 電子計算機 パーソナルコンピュータ(サーバー用のものを除く。) … 4年
上記の項目を根拠として、4年として扱う場合が多くみられる。
使用してきたスマホの減価償却
これまで筆者は、
- Xperia acro HD
- Xperia M4 Aqua
- Xperia XZ2 Premium
上記の3機種を使用してきた。
10万円越えではない機種もあるが、とりあえず気にせずに使用年数で減価償却と当時の現在価値(残価)を考えてみることにする。
①Xperia acro HDの減価償却
スペック
OS | Android 2.3 |
SoC (CPU) | Qualcomm Snapdragon S3 Dual-core 1.5GHz (MSM8260) |
メモリ | 1 GB |
ディスプレイ | 4.3 インチ 1280 x 720 ピクセル |
ストレージ | 16 GB |
サイズ | 126 × 66 × 11.9 mm |
重量 | 149 g |
「私の毎日が、進化する。」
Xperia史上初、日本向けの防水端末として発売された Xperia acro HD。
先に登場したXperia NXと同じくフラッグシップモデルだが、コチラは当時3種の神器と呼ばれるほど国内ニーズの高かったワンセグ、おサイフケータイ、赤外線通信にフル対応したモデル。
人生で初めて手にしたスマホで、2012年に6万円で一括購入し、2015年まで使用した。
- 購入費用 6万円
- 使用期間 3年
- 減価償却 1.5万円/年
- 現在価値 残1.5万円(2015年当時)
4年での減価償却を考えると、毎年1.5万円で使用し、残価1.5万円で次の機種に乗り換えたことになる。
ちょっともったいない気もするけれど、当時のスマホは今では考えられないくらい低スペックで、2年も使えれば大したもんだって感じだったと思う。
②Xperia M4 Aquaの減価償却
ミッドレンジの防水スマホ。Xperia M4 Aqua / M4 Aqua Dual は2015年6月、海外で発売された国内非売品モデル。
USB端子やイヤホンジャックがキャップレス防水になっているのが特徴。
Xperia acro HDの乗り換え先として、2015年に3万円で一括購入し、2018年まで使用した。
- 購入費用 3万円
- 使用期間 3年
- 減価償却 0.75万円/年
- 現在価値 残0.75万円(2018年当時)
先ほどと同様に、4年での減価償却を考えると、毎年0.75万円で使用し、残価0.75万円で次の機種に乗り換えたことになる。
先に紹介したXperia acro HDは毎年1.5万円で使用していたことになるから、比較すると驚くべきことに、Xperia M4 Aquaは2倍のコスパで使用していたと考えることができる。(コスパといいつつ、パフォーマンスはあまり考えていないけれど)
異常に発熱したり、動作がモッサリだったりと、愛着はあるもののあまりいい思い出が無いXperia M4 Aquaだが、上記のように考えると割とアリだったかもしれない。
③Xperia XZ2 Premiumの減価償却
スペック
OS | Android 8.0 |
SoC (CPU) | Qualcomm Snapdragon 845 2.7GHz / 1.7 GHz Octa-Core 64bit (SDM845) |
メモリ | 6 GB |
ディスプレイ | 5.8 インチ 3840 x 2160 ピクセル |
ストレージ | 64 GB |
サイズ | 158 x 80 x 11.9 mm |
重量 | 236 g |
「Xperia初のデュアルカメラを搭載。スマホの常識を凌駕する、プレミアムなXperia。」
XZ2シリーズの最上位モデルとして発売されたXperia XZ2 Premium。
4K HDRディスプレイを筆頭に数々の新機能を搭載した当時のフラッグシップモデル。
Xperia M4 Aquaからの乗り換え先として、2018年に10万円で一括購入し、2022年時点でもメイン機として使用中。
- 購入費用 10万円
- 使用期間 4年
- 減価償却 2.5万円/年
- 現在価値 残1円(2022年時点)
例にならって4年での減価償却を考えると、毎年2.5万円で使用し、残価1円まで使い切ったことになる。2022年以降は、1円/年で使用することができる…と考えることができる。
上記の考えで行くと、2022年以降も頑張って使い続けようとなるのだけれど、実際問題ガタが結構来ていてしんどい。カメラが突然エラーを吐いて使用できなくなったり、Bluetoothの挙動が怪しくなったり、謎のフリーズ→再起動が発生したりなど、そろそろ買い替えのタイミングだ。
こうして考えると、Xperia XZ2 Premiumはあまりコスパとしては良くないように思える。
仮にXperia M4 Aquaと同じ水準(0.75万円/年)になるまで使用しようと思うと、
- 10万円 ÷ 0.75万円/年 = 13.3年
なんと13年もかかってしまう。
つまり2031年まで使い続けることになるのだが…到底無理だろう。
おわりに
おわりに、紹介した3機種の比較を表で示した。
今回の考察では、コスパといいつつ「パフォーマンス」についてはほとんど考慮していない。
たとえば比較した中で一番コスパが悪いXperia XZ2 Premiumは、複眼カメラや高性能SoCなどパフォーマンス面では群を抜いている。
結局のところ、価格とパフォーマンスのバランスの考え方は人それぞれ。
これを言ってはおしまいかもしれないけど、
減価償却的な考えは、あくまで後付けで自分を納得させるための体のいい言い訳のような気がする。
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