2016年
「ソニーのスマホは赤字事業。」
2015年度までの2年間、ソニーのスマホ事業は大幅な赤字を計上。
連結で2,300億円もの赤字を記録した時期もあります。
低迷続くスマホ事業、このままでは撤退か…そう思われた2016年度、一転し黒字化を成し遂げ、通年で102億円の営業利益を計上しました。
ソニー本格回復のカギを握るスマホの行方。
2016年度のXperiaはこれまでと何が違うのでしょう?
Xperia E5
スペック
OS | Android 6.0 |
SoC (CPU) | Mediatek MT6735 1.3 GHz Quad-Core 64bit |
メモリ | 1.5 GB |
ディスプレイ | 5.0 インチ 1280 x 720 ピクセル |
ストレージ | 16 GB |
サイズ | 144 x 69 x 8.2 mm |
重量 | 147 g |
「The one to rely on.」
2016年最初に発売された記念すべきXperiaは、エントリーモデルのXperia E5でした。
MWC 2016でXperia Xシリーズが発表された中、唯一Xperia Xシリーズではなかったモデルです。
先代Xperia E4からの変更点を挙げると、
- SoC性能向上(MediaTek MT6735採用)
- ディスプレイが540×960からHD解像度に高精細化
- メモリが1GBから1.5GBに増加
- ストレージが8GBから16GBへ増加
- カメラ解像度が5MPから13MPへ高性能化
- NFC対応
などなど、1年ぶりに登場したEシリーズはフルモデルチェンジしたカタチになっています。
約25,000円とかなりお買い求めやすい価格の本モデルですが、まずポイントとしてはカメラ。
この価格帯にしては奮発した13MPメインカメラを搭載しているのですが、細部まで鮮明な写真が撮影できるだけではなく、自然な色合いを表現できています。Xperiaにありがちな色温度が低い傾向にありますが、エントリーモデルとしてはかなり良い部類に入ります。
一方でビデオ撮影は好ましくない結果に。
下の動画はXperia E5のメインカメラで撮影したビデオですが、解像度が低く、ダイナミックレンジは悪く、露出オーバーによる白飛びが散見されています。
続いてのポイントはデザインなのですが、これはかなり進化しています。
先代Xperia E4は”いかにも”なデザインでしたが、E5ではフラッグシップモデルに準じたデザインコンセプトで高級感が漂います。
これは同時期に発売されたXperia Xシリーズのデザインコンセプトを踏襲しているため。
「フラッグシップモデルと差別化しなくていいの」
なんて思ってしまうほどエントリーモデルとは思えない洗練されたデザインですが、これは海外のレビューサイトでもかなりの高評価を得ています。
ただし肝心のスペックは同価格帯の競合他社モデルよりも少し低く、割高感が否めない結果に。
Moto G4やOppo F1などがよく引き合いに出されていますが、あまり分は良くないようです。
いまだにXperia Eシリーズの最新モデルの声を聞かないのは、こんな事情があったりする…のかも。
発売日 | 2016年5月 |
発売価格 | 約25,000円 |
Antutuベンチスコア(v6) | 32,000 |
公式サイト | Xperia E5 – Sony Mobile |
▲TOP Xperiaの歴史 – TOP 発売年表 Antutuスコア比較 画面サイズ比較
Xperia X Performance
OS | Android 6.0 |
SoC (CPU) | Qualcomm Snapdragon 820 2.15GHz / 1.6 GHz Quad-core 64bit (MSM8996) |
メモリ | 3 GB |
ディスプレイ | 5.0 インチ 1080 x 1920 ピクセル |
ストレージ | 32 / 64 GB |
サイズ | 143.7 × 70.5 × 8.6 mm |
重量 | 164.4 g |
「より美しく、より使いやすく、デザインと高性能をひとつに。」
2016年6月、「Z」シリーズに次ぐ新しいXperiaシリーズ「X」が日本で発売されました。
Xperia X Performanceはシリーズ最初のハイエンドモデルです。日本では3キャリア全てから発売。
注目ポイントは、大きく変わったデザイン。
これまでのZシリーズの特徴、”背面ガラスパネル”が無くなり、代わりにXperiaシリーズではじめてバックパネルにメタルを採用。ヘアライン・サンドブラスト加工されています。
ただ、残念ながら国内モデルは背面下部に電波感度を確保するための樹脂パーツが…
「つなぎ目がダサい」
という声が続出することになりました。
この問題は後継機種のXperia XZでも解決せず。
Xperia X Performance 背面下部(写真引用:すまほん!!)
X Performanceはデザインや材質の他、実は形状にもこだわりが。
「Xperiaらしくて持ちやすい」
というコンセプトで開発されたそうです。
開発陣は、数々の試作模型を作っては握り、また作っては握り…
そもそも”Xperiaらしい”デザインって、かなり抽象的だと思うのですが…
無い答えを求め、どんな形が良いか比較した結果。
辿り着いたのは、全体がシームレスにR掛かった「ジェントルフォーム」というデザインでした。
試作模型の一部。完成形は中央とその右隣の中間の形とのこと。(写真:ケータイWatch)
その他、ハイエンドモデルとして防水防塵や指紋認証などの機能を備えています。しかし、カメラ機能ではZ5では可能だった4K撮影が非対応になりました。
高速オートフォーカスや2.5Dガラスパネル液晶なども備え、これまでのZシリーズとは大きく印象の異なる端末に仕上がっています。
発売日 | 2016年6月 |
発売価格 | 約90,000円 |
Antutuベンチスコア(v6) | 130,000 |
公式サイト | Xperia X Performance (SO-04H) – ソニーモバイルコミュニケーションズ |
▲TOP Xperiaの歴史 – TOP 発売年表 Antutuスコア比較 画面サイズ比較
Xperia X
OS | Android 6.0 |
SoC (CPU) | Qualcomm Snapdragon 650 1.8GHz / 1.4 GHz Hexa-Core 64bit (MSM8956) |
メモリ | 3 GB |
ディスプレイ | 5.0 インチ 1080 x 1920 ピクセル |
ストレージ | 32 / 64 GB |
サイズ | 143 × 69 × 7.7 mm |
重量 | 152 g |
2016年6月、「Z」シリーズに次ぐ新しいXperiaシリーズ「X」が発売されました。
Xperia Xはそのメインモデル。残念ながら日本では発売されませんでした。なお、海外ではXperia X Performanceの日本発売日より早い、2016年5月に発売されました。
Xperia X Performanceと同様、これまでのZシリーズの特徴だった背面ガラスパネルが無くなりました。従来機種からは雰囲気が全く違う仕上がりに。
スペックや機能は、最上位モデルであるX Performanceから劣化。
防水防塵性能が無く、背面はヘアライン加工の無いシンプルな作りが特徴です。
Antutuベンチ(64bit)のスコアはおよそ73,000。これはZ5シリーズよりも高いスコアです。
しかし、これはAntutuのバージョンがv6に更新され、従来よりも高いスコアが出やすくなっているだけもの模様。
Z5シリーズのAntutu v6スコアは約78,000ほどであり、Xperia XはZ5シリーズより処理能力が低いようです。
>> Xperia X – Sony Xperia (UK)
▲TOP Xperiaの歴史 – TOP 発売年表 Antutuスコア比較 画面サイズ比較
Xperia XA
OS | Android 6.0 |
SoC (CPU) | MediaTek Helio P10 2.0GHz / 1.0 GHz Octa-core 64bit (MT6755) |
メモリ | 2 GB |
ディスプレイ | 5.0 インチ 1280 x 720 ピクセル |
ストレージ | 16 GB |
サイズ | 143.6 × 66.8 × 7.9 mm |
重量 | 137.4 g |
Xシリーズのミッドレンジ・エントリーモデル、Xperia XA。
日本では発売されませんでしたが、海外では2016年6月に発売。
XやX Performanceと比べると、解像度が低かったり指紋認証に対応していなかったり…スペックダウンが見受けられます。
しかしながら、Xperia XAは狭額縁ディスプレイを搭載。デザインはX Performanceよりも、こちらの方がいいという方が多いのではないでしょうか。
実際、週刊アスキー等のメディアでは、
「こっちの方が良い」
と言われる始末。
正直、筆者も同意見です…
価格は35,000 ~ 40,000 円ほど。
防水防塵無し、指紋認証無し、ROM16GB、その他もろもろ低スペック。見た目はいいものの、コスパはあまりよろしくないかと。
Antutuベンチ(64bit)のスコアはおよそ47,000。
Xperia X Performanceの約1/3しかありません。
>> Xperia XA – Sony Xperia (UK)
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Xperia XA Ultra
OS | Android 6.0 |
SoC (CPU) | MediaTek Helio P10 2.0GHz / 1.0 GHz Octa-core 64bit (MT6755) |
メモリ | 3 GB |
ディスプレイ | 6.0 インチ 1080 x 1920 ピクセル |
ストレージ | 16 GB |
サイズ | 164 × 79 × 8.4 mm |
重量 | 202 g |
Xperia Xシリーズのファブレットモデル、Xperia XA Ultraが2016年7月に海外で発売されました。
名前からわかるように、基本的なスペックはXperia XAを踏襲しています。
しかしXAと比べると、解像度がFull HDであったりメモリが3 GBであったり…スペックアップが見受けられます。
ディスプレイはXperia XAと同様狭額縁ディスプレイを搭載。6インチながら横幅は79mmに抑えられており、5.5インチのiPhone 6s Plusより1mm大きいだけです。前身であるXperia C5 UltraからはCPUやメモリ、カメラなどが進化しています。
Antutuベンチ(64bit)のスコアはおよそ49,000。
当然ながら、Xperia XAと変わりません。
>> Xperia XA Ultra – Sony Xperia (UK)
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Xperia X Compact
OS | Android 6.0 |
SoC (CPU) | Qualcomm Snapdragon 650 1.8GHz / 1.4 GHz Hexa-Core 64bit (MSM8956) |
メモリ | 3 GB |
ディスプレイ | 4.6 インチ 1280 x 720 ピクセル |
ストレージ | 32 GB |
サイズ | 129 × 65 × 9.5 mm |
重量 | 135 g |
Xシリーズのコンパクトモデル、Xperia X Compact が2016年9月、海外で発売されました。
日本では2016年10月に発売。
Xperia定番のコンパクトモデルです。
今まではフラッグシップモデルとほぼ同じスペックの小型版でしたが、今回のXperia X Compactは”ミッドレンジモデルの小型版”という位置づけに。
後述しますが、AntutuベンチスコアはXperia X Performanceから大きく落ちています。
かねてより待ち望まれていたUSB Type-Cポートを搭載しており、充電ケーブルの表裏を気にすることなく充電可能です。
ミッドレンジながらも、メモリ3GB、ストレージ32GBとスペックは高め。
なお、国内モデルは海外モデルと異なり防水防塵・ワンセグ・FeliCaに対応します。
価格は50,000 円ほど。妥当な価格かと。
Antutuベンチ(64bit)のスコアはおよそ78,000。
これは、同じCPUを搭載しているXperia Xと同じくらい。Xperia X Performanceと比べると、半分程度のスコアです。
>> Xperia X Compact – Sony Xperia (UK)
▲TOP Xperiaの歴史 – TOP 発売年表 Antutuスコア比較 画面サイズ比較
Xperia XZ
OS | Android 6.0 |
SoC (CPU) | Qualcomm Snapdragon 820 2.15GHz / 1.6 GHz Quad-Core 64bit (MSM8996) |
メモリ | 3 GB |
ディスプレイ | 5.2 インチ 1920 x 1080 ピクセル |
ストレージ | 32 GB |
サイズ | 146 × 72 × 8.1 mm |
重量 | 161 g |
「美しく撮る、ハイレゾを聴く。その手に新たなよろこびを。」
”デザイン推し”という新しい切り口で発売されたXperia XZ。
Xシリーズのフラッグシップモデルとして、海外では2016年10月に、日本では11月に発売されました。
Xシリーズの全体にRが掛かったデザインから一転、エッジが効いたループサーフェスデザインに。
四隅はチャンファーカットされていますが、角が出ています。
背面には、デザインの一環として新素材のアルミ合金を使用。
従来よりもアルミの純度が高く、高輝度な表現が可能になったとのこと。開発陣曰く、
「スマートフォンで使用するのはXperia XZが初めてだ。」
とのこと。
ただ残念なことに、背面下部には電波感度を確保するための樹脂パーツがあり、”継ぎ目”が存在します。
当時の技術では”フルメタル”はハードルが高かったようで、商品企画担当の川原崎さんも
「これから5Gの波が来る中で、海外でも接続性の関心が増しています。Xperia XZではフルメタルのモデルは存在しません。」
とインタビューで回答されています。
この問題はX Performanceでも同様でしたね。電波感度を確保するためには、一部を樹脂にするしかなかったようです。
ところでXperia XZは新シリーズとして完全新設計されたモデルですが、SoCやRAM、ROMといったスペックは実はX Performanceと同じです。
変更されたのは先に紹介したデザイン、そしてカメラと各種ソフトウェア。
なかでも注目したいのが、新搭載の”いたわり充電”機能。
これは使用者の充電習慣を学習して、充電速度を調節するというもの。
要は寝てる間はあまり充電しないようにすることで、バッテリーの寿命を延ばす機能。
公式では謳われていませんが、いわゆる”AI”機能のひとつかと。
たまに早く起きると「充電が微妙に少ない…」なんてことがありますが、最近のXperiaはバッテリーが劣化しにくいなんて声をちょくちょく聞くのも事実。
スマホをあまり買い換えない人にしてみれば、もしかしたらこれが一番の”神機能”と呼べるかもしれない。
発売当時は目立った機能として紹介はされていませんでしたが…
あなたのXperia、バッテリー持ちは変わらないままですか?
発売日 | 2016年10月 |
発売価格 | 約82,000円 |
Antutuベンチスコア(v6) | 135,000 |
公式サイト | Xperia XZ (SO-01J) – ソニーモバイルコミュニケーションズ |
▲TOP Xperiaの歴史 – TOP 発売年表 Antutuスコア比較 画面サイズ比較