2021年
新機種が発売され次第、随時更新予定です。
Xperia PRO
スペック
OS | Android 10 |
SoC (CPU) | Qualcomm Snapdragon 865 2.8 GHz / 2.4 GHz / 1.8 GHz Octa-Core 64bit (SM8250) |
メモリ | 12 GB |
ディスプレイ | 6.5 インチ 3840 x 1644 ピクセル |
ストレージ | 512 GB |
サイズ | 171 × 75 × 10.4 mm |
重量 | 225 g |
「クリエイターの新たな可能性を切り開く。」
発表から1年もの時を経て登場した業務用Xperiaこと、Xperia PRO。
本体価格がベースモデルの2倍にも高騰し約23万円で発売されることから分かりますが、既存のXperiaとは一線を画す機種として発売されます。
ベースモデルのXperia 1 IIからの変更点を挙げると、
- スマートフォンとして初のHDMI入力対応
- カメラなどの外部モニターをサポート(Xperia 1 IIはOSアップデートで対応)
- αシリーズなどを外部カメラとしてサポート(外部カメラによるLIVE配信対応)
- 5Gミリ波帯アンテナ位置の最適化
- データ送受信状態が確認できる「Network Visualizer」搭載
- 筐体側面へショートカットキー搭載
- 放熱性能向上
- 出荷時に高精細カラーキャリブレーションを実施
- パネル材質変更(樹脂)
- おサイフケータイ機能削除
などなど、映像クリエイターやYoutuber、LIVE配信者向けの最先端技術が盛り沢山の仕様。
カタログスペックとしては開発時期の関係でXperia 1 IIと変わり映えしないですが…
ご存知の通り注目ポイントが山ほどあります。
まず注目したいのはHDMI端子の搭載。
HDMI接続により拡張ディスプレイとして外部カメラの接続が可能に。
例えばソニーのαシリーズを外部カメラとして接続することで、Xperia PROではYoutubeで高精細なライブ配信が出来るようになりました。
ちなみにXperiaへのHDMI端子搭載はXperia acro HDが発売された2012年以来9年ぶりかと。以前はHDMIアウトプット対応でしたが、Xperia PROではHDMIインプット対応になっています。
例外的な使い方ですが、PS5などの映像をHDMIケーブルでXperia PROの画面に表示することも可能です。
そしてこれに合わせて必須なのが、正確な色を表示するためのディスプレイカラーキャリブレーション。
ディスプレイは使用時間の違いによる経年劣化などで色温度や明るさに違いが出てきますが、同じ新品の製品であってもばらつきがあります。
そこで映像制作向けのXperia PROでは、ソニー製マスターモニターを基準に色温度を調整して個体差を吸収することで同じ色に調整しているわけです。
ちなみにカラーキャリブレーションはXperia 1 Professional Editionの他、プロフェッショナル向けモニターでも実施されていた実績があります。
そして目的が目的なだけあってかなり尖った仕様というか、一般ユーザー向け機能を割り切っているのはXperiaとしてはかなり異例。
おサイフケータイ機能が削除されていたり、背面パネルがガラスから樹脂に変更されていたり。
写真では分かりにくいですがXperia PROはマット仕上げ、Xperia 1 IIはガラス素材の光沢仕上げ。
そんな割り切った仕様のXperia PROですが、もちろんこれには理由があります。
Xperia PROではプロフェッショナル向けに5G Sub 6通信とミリ波通信が両方採用されていますが、広い範囲をしっかりカバーできるSub 6に対してミリ波は、
「障害物に非常に弱く、電波が届きにくい」性質を持っている。
これは周波数帯域の違いによるものなんだけど、ミリ波はSub 6に比べて周波数帯が高く(30~300GHz)直進性が良い一方障害物の陰に回り込む性質が弱くなる。
だからXperia PROは電波を通しやすい樹脂を選んだんじゃないかな。
しつこいけれど、Xperia PROはプロフェッショナル向けであってコンシューマ向けじゃない。でもベースモデルのXperia 1 IIはコンシューマ向けだから、なにかとXperia 1 IIと比較されて叩かれることがある。
外観も瓜二つだから、
「全然違いが無いのに23万円超えは高い!」
なんて言われたり。
パッと見では分かりにくい仕様の違い、製品一つ一つに対してカラーキャリブレーションが実施してある、その他諸々の違いがある訳ですが、それが嫌なら買い求めやすいXperia 1 IIを選ぶことはできます。
以前ご紹介したとおり、
「好きを極めたい人々に、想像を超えたエクスペリエンスを」
一部の人でいいから提供できるよう、割り切った思いで開発されたXperia PRO。
決して多く見かけることは無いでしょうが、ユーザーに寄り添った機種であることは確かです。
発売日 | 2021年2月 |
発売価格 | 約227,000円 |
Antutuベンチスコア(v8) | 565,000 |
公式サイト | Xperia PRO – Sony Mobile |
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Xperia 1 III
スペック
OS | Android 11 |
SoC (CPU) | Qualcomm Snapdragon 888 2.8 GHz / 2.4 GHz / 1.8 GHz Octa-Core 64bit (SM8350) |
メモリ | 12 GB |
ディスプレイ | 6.5 インチ 3840 x 1644 ピクセル |
ストレージ | 256 GB |
サイズ | 165 x 71 x 8.2 mm |
重量 | 187 g |
「Speed and beyond.」
Xperia 1 IIの後継機種にあたるXperia 1 III。
2021年4月14日にYoutubeのSony公式チャンネルで正式発表されました。
新型コロナウイルス蔓延の影響で、日本では発表から3か月後の2021年7月に発売。
Xperia 1 IIからの変更点を挙げると、
機種 | Xperia 1 III | Xperia 1 II |
OS | Android 11 | Android 10 |
SoC (CPU) | Qualcomm Snapdragon 888 2.8GHz / 2.4GHz / 1.8 GHz Octa-Core 64bit (SM8350) | Qualcomm Snapdragon 865 2.8GHz / 2.4GHz / 1.8 GHz Octa-Core 64bit (SM8250) |
メモリ | 12 GB | 8 GB |
ディスプレイ | 6.5 インチ 3840 x 1644 ピクセル | 6.5 インチ 3840 x 1644 ピクセル |
ストレージ | 256 GB | 128 GB |
サイズ | 165 x 71 x 8.2 mm | 166 × 72 × 7.9 mm |
重量 | 187 g | 181 g |
ひとことで言ってしまうと、全てが変わった。
5Gについて言えば、国内版ではついに5G FR2 mmWAVEにも対応。
「ソニーの最新技術を磨き抜いた5GフラッグシップXperia」
といっているだけあって、スペック面での進化が極まっています。
わかりやすいのが、世界初の3つの技術。
ひとつめは、世界初の可変式望遠レンズ。
Xperia 1 IIIは3つのカメラユニットを搭載しているんだけど、その内1つには世界初のDual PDセンサー搭載の可変式望遠レンズが入っている。
なにがすごいかというと、1つのユニットで2つの焦点距離をカバーすることで、従来と同じ3眼式ながらより幅広い距離の被写体を様々な構図で撮影できる。
本体のデザインや厚みはそのままに、カメラ性能を大幅に向上できたってわけです。
ふたつめは、世界初の4K HDR 120Hz シネマワイドディスプレイ。
Xperia 1 IIは4K 90Hz、Xperia 5 IIは2K 120Hzでしたが、ついに4K 120Hz駆動に。
2Kと4Kの違いが肉眼で判るのかという問題はさておき、120Hzってどうなのって方も多いでしょうが、
でもゲームを全くやったことが無い方でも、老若男女問わず違いが分かります。120Hzに慣れている方だと60Hzは酷くカクついているように見えるほどで、非常に恩恵は大きいです。
バッテリー消費は多くなるものの、Xperia 1 IIIでは4,500mAhの大容量バッテリーを搭載することで、バッテリー持ちの問題を解消しています。
みっつめは、世界初の360 Reality Audioの搭載。
これは何なのかというと、簡単にいえば立体音響のこと。
ボーカルやコーラス、楽器などの音源ひとつひとつに位置を付け、生演奏に囲まれているような音響を再現する技術です。
詳しくは上の動画で説明されているけれど、今あなたがイヤホンやヘッドホンをしているなら、手っ取り早く下の動画を聴くのが早い。
みんな大好きTHE FIRST TAKEとYOASOBI、ソニーが公式にコラボした360 Reality Audio体験動画。歌はYOASOBIの群青です。
体感できたと思うけど、普段の音楽とは全く違うことがわかると思う。
この音響技術、大手ではAmazon Musicなどのストリーミングサービスが対応しています。
音楽配信を手掛けるソニーならではの技術だけど、個人的にはぜひ普及して欲しい技術。
しかも自分の耳の画像を携帯で撮影することで個人最適化が行えるというから驚き。
音楽体験はついに”個人別”に合わせた方向に進んでいます。
以上のようなハードウェアの最適化だけではなく、デコーダーやレンダラー、バーチャライザーといったソフトウェア面での最適化や進化もXperia 1 IIIでは見られます。
開発陣は色々とやっていて、正直ここでは書ききれない。
詳細は以下のYoutubeでかなり詳しく解説されているので、興味があれば視聴してみるのもいいかも。
世界初の3つの技術は以上だけど、よくよく考えてみるとどれも(以前と比べれば)一般ユーザー向けに手軽に体感できる技術ばかり。
過去に開発されたXperia 1シリーズに搭載されたCinema ProやPhotography Proはどちらかといえば「好きを極めた人」のための機能や技術で、
「好きを極めた人に寄り添うモデルを作る」
というコンセプトだったけど、このXperia 1 IIIは一般ユーザーにも寄り添ったモデルに感じる。
「好きを極めたい人々に、想像を超えたエクスペリエンスを」
提供できるよう、徹底的に突き抜ける覚悟で開発されてきたXperia 1シリーズ。
でもこのXperia 1 IIIを見ると、もしかしたら、今までの突き抜けたコンセプトはXperia PROに譲られたのかもしれません。
発売日 | 2021年7月 |
発売価格 | 約154,000円 |
Antutuベンチスコア(v8) | 727,000 |
公式サイト | Xperia 1 III – Sony |
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Xperia 5 III
スペック
OS | Android 11 |
SoC (CPU) | Qualcomm Snapdragon 888 2.8 GHz / 2.4 GHz / 1.8 GHz Octa-Core 64bit (SM8350) |
メモリ | 8 GB |
ディスプレイ | 6.1 インチ 2520 x 1080 ピクセル |
ストレージ | 128 GB |
サイズ | 157 x 68 x 8.2 mm |
重量 | 169 g |
「Speed and beyond, made compact.」
Xperia 5 IIの後継機種にあたるXperia 5 III。
2021年4月14日にYoutubeのSony公式チャンネルでXperia 1 IIIやXperia 10 IIIと同時にワールドプレミアされました。
台湾などの諸外国では2021年9月に発売されましたが、国内版は2ヶ月遅れの11月発売に。
Xperia 5シリーズはXperia 1シリーズを一般ユーザー向けに再企画された機種として毎年秋に発表されていましたが、2021年はXperia 1シリーズと同時発表に。
立ち位置としてはXperia 1シリーズの廉価版となったXperia 5 IIIですが、スペックを比較するとその差は一目瞭然。
機種 | Xperia 5 III | Xperia 1 III |
OS | Android 11 | Android 11 |
SoC (CPU) | Qualcomm Snapdragon 888 | Qualcomm Snapdragon 888 |
メモリ | 8 GB | 12 GB |
ディスプレイ | 6.1 インチ 2520 x 1080 ピクセル | 6.5 インチ 3840 x 1644 ピクセル |
ストレージ | 128 GB (UK仕様) | 256 GB (UK仕様) |
サイズ | 157 x 68 x 8.2 mm | 165 x 71 x 8.2 mm |
重量 | 169 g | 187 g |
カメラ | 3眼 iToFセンサー無し | 3眼 iToFセンサー搭載 |
スピーカー音圧 | 従来と同等 | 従来比 約+40% |
ワイヤレス充電 | Qi 非対応 | Qi 対応 |
充電おすそ分け機能 | 非対応 | 対応 |
耐久性能 | Corning Gorilla Glass 6 | 前面:Corning Gorilla Glass Victus 背面:Corning Gorilla Glass 6 |
などなど。
一応、公式サイト上ではフラッグシップモデルとして扱われています。
従来はコンパクトモデルとして扱われることもあったXperia 5シリーズですが、こうして表で比較すると廉価版色が強い印象のXperia 5 III。
分かり易いのはメモリやディスプレイの違いですが、注目したいのは耐久性能に大きくかかわるCorning Gorilla Glass。
Xperia 5 IIIではGorilla Glass 6が採用されていますが、Xperia 1 IIIではGorilla Glass 6と前面には最新のGorilla Glass Victusが採用されています。
このGorilla Glass Victus、先代のGorilla Glass 6と比べると性能がかなり良くなっているんです。
簡単にまとめると、落下耐性が1.6mから2.0mに性能アップ。引っかき傷への耐性はGorilla Glass 6と比べて2倍に向上しています。
スマホを落としてヒビだらけにした私はよく知っているのですが、耐久性は本当に大事。
美しいフラットデザインが一瞬にして毛細血管のようになりますからね。
そういった意味では、Xperia 5 IIIに最新のGorilla Glass Victusが採用されなかったのは残念。
Xperia 5 IIIを購入する際には、耐久性を試す機会が無いようにお祈りしてから買った方がいいかも?
発売日 | 2021年11月 |
発売価格 | 約113,000円 |
Antutuベンチスコア(v-) | 72,7000 |
公式サイト | Xperia 5 III – Sony |
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Xperia 10 III
スペック
OS | Android 11 |
SoC (CPU) | Qualcomm Snapdragon 690 2.0 GHz / 1.7 GHz Octa-Core 64bit (SM6350) |
メモリ | 6 GB |
ディスプレイ | 6.0 インチ 2520 x 1080 ピクセル |
ストレージ | 128 GB |
サイズ | 154 x 68 x 8.3 mm |
重量 | 169 g |
「写真も動画も音楽も。5G時代の新スタンダードXperia。」
Xperia 10 IIの後継機種にあたるXperia 10 III。
2021年4月14日にYoutubeのSony公式チャンネルでXperia 1 IIIやXperia 5 IIIと同時にワールドプレミアされました。
日本国内では発表から2か月後の2021年6月に発売。
兄弟機種のXperia 1 IIIは新型コロナウイルス蔓延の影響で7月発売に延期されましたが、本機種は影響が少なかった模様。
ついにというか、ようやくというか、5Gの時代の流れがXperia 10シリーズにもやってきました。
いくつか種類がある5Gの中でも、Xperia 10 IIIは5G NR方式のFR1 Sub-6に対応しています。
5Gには大きく分けてFR1 Sub-6とFR2 mmWAVEの2種類があって、より身近に使われているのはFR1 Sub-6だというのはITに詳しい方にとっては常識。
ちなみにXperia 10 IIIはSub-6には対応するけど、mmWAVEには対応しない。
一般的にmmWAVEはSub-6よりも情報伝達量が多いと言われていて、通信速度が優位である一方、遮蔽物には弱く使用できる場面が限定されている。
日本国内でもmmWAVEが使用できる場所は極一部に限られているのが現状。
フラッグシップのXperia 1 IIIはそんなmmWAVEにも対応するけど、ミッドレンジのXperia 10 IIIは非対応というわけ。
つまり、現時点で使える機会が少ないなら、mmWAVEは切り捨てちゃえってことかと。
5G Sub-6とmmWAVEの違いについては、Xperia PROの解説ページをどうぞ。
ちなみに群雄割拠入り乱れているXperiaシリーズだけど、Xperia 10シリーズはその中でも結構特異なシリーズだったりする。
それは何故かというと、
派生機種(~Xperia 10 III発表) | 機種合計 | |
Xperia 1シリーズ | 1, 1 Professional Edition, 1 II, PRO, 1 III | 5機種 |
Xperia 5シリーズ | 5, 5 II, 5 III | 3機種 |
Xperia 10シリーズ | 10, 10 Plus, 8, 10 II, 8 Lite, 10 III, 10 III Lite | 7機種 |
その他シリーズ | Ace, Lシリーズ | 2シリーズ |
フラッグシップのXperia 1シリーズを差し置いて、派生機種が最も多い。
この理由として、キャリアとメーカーのスマホ開発・販売の関係性に着目してみたい。
普段私たちが購入するスマートフォンには「Xperia」「Galaxy」「AQUOS」など、様々なメーカーのブランド名がついています。だから一見すると、メーカーがキャリアの販売網からスマートフォンを発売しているように感じられるけど、実はどのメーカーのスマートフォンでも、それはあくまでキャリアの製品として、各キャリア自身が販売している。
日本において多くのスマートフォンメーカーは、キャリアに開発した商品を納品する、いわば下請けというべき立場なのだ。
https://news.mynavi.jp/article/mobile_business-4/
ガラケー時代まで遡ると、当時はキャリアがネットワークだけでなく、サービスから端末まですべてを包括して開発・販売していました。これは日本市場で高度かつ高品質な通信サービスが求められていたからで、その結果世界に先駆けてインターネット接続サービスが普及したほど。
iPhoneの登場が全てを壊した
しかし2008年、ソフトバンクモバイルがiPhone 3Gを発売したことでキャリアとメーカーの関係に大きな影響がありました。ソフトバンクモバイルは、アップルのiPhone 3Gに手を加えることなく、そのまま販売してヒットさせたのです。
これ以降、キャリアはメーカーの存在をアピールするカタチになりました。それぞれメーカー独自のデザインや機能、サービスを持たせるようにしたのです。キャリアも端末開発に関与する部分が減りだし、次第にメーカー主導で開発する部分が増えだしました。
しかし現在も、日本では端末開発はキャリアとメーカーの共同開発で行われています。一部のモデルではキャリア主導で開発されたオリジナルモデルも存在し、NTTドコモのらくらくスマートフォンやMONOなどが代表として挙げられます。
これは、先のも述べた通り、取引される端末がキャリア向けに開発された専用端末であることと関係する。開発は通信キャリアとの共同開発で行われるため、様々な部分で…
日本の携帯電話産業における通信キャリアと端末メーカーの取引構造の変化, 小林崇秀, 2016年5月27日
多くのメーカーはスマートフォンを積極的に利用する層に向けた、売れ筋となりやすいフラッグシップモデルを開発する傾向にあります。一方Xperia 10シリーズやXperia Aceに代表されるミッドレンジや廉価版モデルは、台数が出ないため開発に消極的です。
このような市場にあまり普及しないであろう特定層向けの端末をキャリアが販売するには、キャリア自身が積極的に端末開発に関与し、メーカーから端末を買い取ることで、メーカーにリスクをかけることなく開発してもらうという、ガラケー時代から続く従来の共同開発の仕組みが役立ちます。
発表時点でXperia 10シリーズの派生機種は国内専売モデルのXperia 8シリーズを含めて6機種と最も多く、しかしながら各モデルの中身はほぼ同じとなっているため、焼き増しされた印象を持ってしまうのは事実。
しかしメーカーにリスクを負ってもらうことなくミッドレンジモデルをキャリアが販売するには、日本独特の共同開発の仕組みを使ってキャリアが主導して開発する仕組みが役立っています。
各々の感じ方次第かもしれませんが、色々なXperiaがキャリアから販売されているのは、販路を持つ各キャリアの企業努力なのかもしれませんね。
なお、Xperia 10 III発売から2か月後の2021年8月には、マイナーチェンジモデルに相当するXperia 10 III Liteが楽天モバイルやMVNO各社から発売されています。
発売日 | 2021年6月 |
発売価格 | 約51,000円 |
Antutuベンチスコア(v8) | 275,000 |
公式サイト | Xperia 10 III – Sony |
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Xperia Ace II
スペック
OS | Android 11 |
SoC (CPU) | Mediatek Helio P35 2.3GHz / 1.8GHz Octa-Core 64bit (MT6765) |
メモリ | 4 GB |
ディスプレイ | 5.5 インチ 1496 x 720 ピクセル |
ストレージ | 64 GB |
サイズ | 140 x 69 x 8.9 mm |
重量 | 159 g |
「かんたん&長持ちのシンプルコンパクト」
誰が予想しただろうか、Xperia Aceの後継機種にあたるXperia Ace II。
2021年5月19日のドコモ新機種発表会にて発表された本機種。先代Xperia AceがSnapdragon 630を採用していたのに対し、Xperia Ace IIではMediatek Helio P35を採用しています。
スペック的にはミッドレンジとエントリーの中間といったところでしょうか。ご存知の通り下表のようにSD630とそう大差ありません。
Snapdragon 630 | Helio P35 | |
CPU Clock | 2.2 / 1.8 GHz | 2.3 / 1.8 GHz |
CPU Core | 8 Core | 8 Core |
Architecture | ARM Cortex-A53 | ARM Cortex-A53 |
Antutu Score (v7) | 89,349 | 85,742 |
Announced | 2017年5月 | 2018年12月 |
特徴としてはキャッチコピーにもあるように簡単シンプルな使いやすいモデルという形になっていて、
- 片手で操作しやすいコンパクトボディ
- 4500mAh大容量バッテリー搭載
- はじめてのスマホでも扱いやすい「かんたんホーム」を採用
- 衛生的に使える抗菌性能付きカバー「Style Cover with Stand」別売
などなど、スペックとサイズを抑えてらくらくホンのような機種になっています。
特に”注目”したいのは”注目ポイント”だったり。なんていうと紛らわしいかな。
まずは”かんたんホーム”。
ここを見られる方は使ったことが無いかもしれないけど、かんたんホームは以前から国内のXperiaに標準で搭載されているホームアプリ。
文字やアイコンサイズが大きく、見やすく表示されたホームアプリです。
これまでSony公式サイトでは殆ど触れられなかった機能ですが、Xperia Ace IIでは大々的にアピールされているんです。
それは何故か?
別にここでかんたんホームの機能を紹介したいわけではありません。注目したいのはSonyが何をアピールしているか。
言い換えれば”注目ポイント”。
例えばカメラ機能の紹介では、上の写真のように孫と思われる子供に向かって写真を撮る年配の方の姿が。
そしてそして…
3.5mmオーディオジャックのアピールにも年配の方の姿が。
ドコモの公式サイトでは上の年配の方の写真とともに、
「はじめてのスマホでもあんしん 新しい生活スタイルにもぴったり」
と謳われていたり。
ここまでいえばお分かりでしょう。Xperia Ace IIはシニア向けに登場したスマホなんです。
これまでシニア向けと銘打ったXperiaはありませんでした。
ユーザーニーズを広げるためにもシニア層の声に応えてXperia Ace IIは作られたのでしょうか。
コロナ禍を意識した抗菌性能付きカバーや、Xperia L4の様相を匂わせる特徴的なノッチデザインなど、国内初の試みも見受けられます。
ここで脱線。
ソニーは以前、
「画面上にノッチは付けない」
と明言していたことはご存知でしょうか?
まあ本サイトを見るような皆様には常識だと思いますが。
しかししかし、Xperia L4ではノッチが付いていた。前言撤回もいいところ。
Xperia Ace IIでも同様にノッチが採用されたけれど、ノッチは付けない宣言は時効となったのでしょうか…?
それとも21:9ではないから関係ないのか…
「もう、コンテンツのためのものならば、比率もコンテンツにあわせてしまおうと考えました。ならば、広げるならば21:9。そうでなければ16:9です。21:9だと決めてしまうと、みんな燃えるんですよね。なら、コンテンツを汚しちゃいけない。画面上にノッチはつけないし、穴もつけない。『白いご飯は汚さない。コンテンツには穴を空けない』です」
https://www.businessinsider.jp/post-186061
自由奔放すぎる。
ちなみに先代からめちゃくちゃ安くなったXperia Ace II。人を選ばずシニア層からも手に取りやすい2万2千円で発売です。
管理人が手にすることはまずないかな。
発売日 | 2021年5月 |
発売価格 | 約22,000円 |
Antutuベンチスコア(v8) | 101,000 |
公式サイト | Xperia Ace II – Sony |
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Xperia 10 III Lite
スペック
OS | Android 11 |
SoC (CPU) | Qualcomm Snapdragon 690 2.0 GHz / 1.7 GHz Octa-Core 64bit (SM6350) |
メモリ | 6 GB |
ディスプレイ | 6.0 インチ 2520 x 1080 ピクセル |
ストレージ | 64 GB |
サイズ | 154 x 68 x 8.3 mm |
重量 | 169 g |
「写真も動画も音楽も。5G時代の新スタンダード。」
先代Xperia 10 IIIの発売から僅か2か月後、マイナーチェンジモデルに相当するXperia 10 III Liteが楽天モバイルおよびMVNO各社から発売されました。
気になるXperia 10 IIIとの違いはというと、
機種 | Xperia 10 III Lite | Xperia 10 III |
OS | Android 11 | |
SoC (CPU) | Qualcomm Snapdragon 690 2.0 GHz / 1.7 GHz Octa-Core 64bit (SM6350) | |
メモリ | 6 GB | |
ディスプレイ | 6.0 インチ 2520 x 1080 ピクセル | |
ストレージ | 64 GB | 128 GB |
サイズ | 154 x 68 x 8.3 mm | |
重量 | 169 g | |
バッテリー | 4500 mAh | |
SIM | eSIM+NanoSIM DSDV (Dual SIM Dual VoLTE) 対応 | NanoSIMx2 DSDS SD排他仕様 (海外版) |
FMラジオ | 非対応 | 対応 |
価格 | 約 40,000円 | 約 51,000円 |
ひとことでいうと、機能を削って価格を落とした。外観やCPUといった基本的な部分は変わっていません。
国内版としては珍しくデュアルSIMに対応したXperia 10 III Liteは、Xperia史上初のeSIMにも対応。
ちなみに怒られそうなくらい簡単に説明すると、eSIMとはスマホ内部にあらかじめ組み込まれたSIMのこと。
通常はSIMカードをスマホに挿入することで通話やインターネット接続が利用できますが、eSIMは通信事業者とあらかじめ通信プランを契約しておくことで、すぐに通話やインターネット接続が利用できます。
eSIM(イーシム)は、スマートフォンに内蔵された本体一体型のSIMです。eSIMなら、SIMカードが届くのを待ったり、紛失や破損の心配もありません。
https://network.mobile.rakuten.co.jp/product/sim/esim/
気を付けたいのは、申し込み手続きがオンラインで完結できたり、SIMカードの差し替えが不要といったメリットがある一方、一部の条件で緊急通報が出来ない(110番、118番、119番)といったデメリットがあること。
事象が確認されているのはiPhoneでeSIM+物理SIMのデュアルSIM機能を使用したときのようですが、未だeSIMが発展途上の機能であることは注意しましょう。
デュアルSIM機能をご利用時の注意事項について
一部のスマートフォンで、デュアルSIM機能(複数のSIM/eSIM回線を併用して利用する機能)を利用する際に、特定の条件において、緊急機関(110/118/119)への発信ができない事象が確認されています。
確認されている発生条件
SIMカードとeSIMの組み合わせで回線を併用してご利用時(デュアルSIM機能をご利用時)に、音声通話が利用できないデータ通信専用SIM回線を「モバイルデータ通信」用の回線として設定している場合- 現在確認されている対象機種
<iPhone>11 機種(2021年8月時点)
iPhone 12 Pro、iPhone 12、iPhone 12 Pro Max、iPhone 12 mini、iPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Max、iPhone 11、iPhone XS Max、iPhone XS、iPhone XR、iPhone SE(第2世代)
<Android>
現在ドコモが販売しているAndroid製品では本事象の対象となる機種はございません。- 緊急機関への発信をするためには
「モバイルデータ通信」用の回線に「音声通話可能なSIM回線」を設定していただくことで緊急機関への発信ができることが確認されております。https://www.nttdocomo.co.jp/support/uimcard/esim/
併売されるXperia 1 IIIやXperia Ace IIと比べると価格やSPECが手ごろなこともあり、手を出しやすいXperia 10 III Lite。
もしもデュアルSIMを使うのであれば、ただちに影響はないものの上記の懸念事項は確認しておきたいところです。
発売日 | 2021年8月 |
発売価格 | 約40,000円 |
Antutuベンチスコア(v8) | 275,000 |
公式サイト | Xperia 10 III Lite – Sony |
▲TOP Xperiaの歴史 – TOP 発売年表 Antutuスコア比較 画面サイズ比較
2021年10月12日、突如SONYから次期Xperiaの発表予定が告知されました。
Xperia PRO-I
スペック
OS | Android 11 |
SoC (CPU) | Qualcomm Snapdragon 888 2.8 GHz / 2.4 GHz / 1.8 GHz Octa-Core 64bit (SM8350) |
メモリ | 12 GB |
ディスプレイ | 6.5 インチ 3840 x 1644 ピクセル |
ストレージ | 512 GB |
サイズ | 166 x 72 x 8.9 mm |
重量 | 211 g |
「カメラ、極まる。」
2021年10月12日、突如SONYから次期Xperiaの発表予定が告知されました。
この予告画像に映っている半球状のイメージから人々が予想したのは、カメラのレンズ。
そして先代Xperia PROの発売から10か月後、予想された通りカメラ性能に特化した新モデル”Xperia PRO-I“がソニーストアから発売されました。
気になる先代Xperia PROとの違いはというと、
機種 | Xperia PRO-I | Xperia PRO |
OS | Android 11 | |
SoC (CPU) | Qualcomm Snapdragon 888 2.8 GHz / 2.4 GHz / 1.8 GHz Octa-Core 64bit (SM8350) | Qualcomm Snapdragon 865 2.8 GHz / 2.4 GHz / 1.8 GHz Octa-Core 64bit (SM8250) |
メモリ | 12 GB | |
ディスプレイ | 6.5 インチ 3840 x 1644 ピクセル | |
ストレージ | 512 GB | |
サイズ | 166 x 72 x 8.9 mm | 171 × 75 × 10.4 mm |
重量 | 211 g | 225 g |
カメラ | 16mm:1220万画素/F2.2 24mm:1220万画素/1.0型ExmorRS CMOS/F2.0・4.0 50mm:1220万画素/F2.4 | 16mm:1220万画素/F2.2 24mm:1220万画素/F1.7 70mm:1220万画素/F2.4 |
価格 | 約 198,000円 | 約 227,000円 |
スペック的には正統進化しつつも価格を抑えた後継機モデルといったところ。
ちなみにデザインも少し変わっていて、
先代Xperia PROにあった極太ベゼルが少しスッキリして、コンパクト化されています。
厚みも10.4mm→8.9mmに薄型化され、手に持った印象は全く異なるものに。
グリップ性を高めたフレームや、RX100シリーズに搭載されているパーツをシャッターボタンに採用するなど、外装からも本格的な撮影体験へのこだわりがみられます。
しかし何といっても注目すべきは、スマホとしては異例の1.0型センサーをカメラに搭載した点。
絶大な人気を誇るソニーのハイエンドコンデジRX100シリーズと同等の大型イメージセンサーを搭載することで、かつてないほどの高画質な写真や動画撮影が可能になりました。
ちなみに、一般的にイメージセンサーが大きくなると多くの光を取り込むことができます。カメラは画素数よりもセンサーサイズが重要といわれるのはこれが所以。
1.0型センサーを搭載したXperia PRO-Iなら、こんな写真も撮影できます。
詳細は公式Youtubeチャンネルにて動画が公開されているため、興味のある方は参照ご覧ください。50万再生を超えており関心の高さがわかります。
ちなみに動画でも解説されているように、Xperia PRO-Iの「I」はImagingの「I」をあらわしています。
そのImaging communityのプロフェッショナルの要望に応える「新しいカメラ」。
このコンセプトの元、開発が進められたXperia PRO-I。
やはりそれは、
Xperia 1 IIの歴史でも触れた、この言葉が根底にあるのでしょう。
発売日 | 2021年12月 |
発売価格 | 約198,000円 |
Antutuベンチスコア(v8) | 682,000 |
公式サイト | Xperia PRO-I |
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