2021年6月25日、Microsoftの次期OS「Windows 11」がワールドプレミアされましたが、このOSは旧世代のPCをサポートしないことが判明しました。
Windows 10では幅広い世代のPCをサポートしていましたが、方針転換があったようです。
ここではあなたのPCがWindows 11にアップグレードできるかどうかの確認方法と、サポートされるシステム要件・確認方法をわかりやすく徹底解説します。
Windows 11互換性チェックプログラム
MicrosoftはあなたのPCがWindows 11にアップグレードできるかどうか、チェックするためのプログラムを公式に配布しています。
以下のリンク先の公式ページから専用アプリをダウンロードすることで、あなたのPCがWindows 11にアップグレードできるかどうか確認できます。
アップグレードできない場合は、
「このPCではWindows 11を実行できません」
と表示されます。
必要システム要件と確認方法
先述した互換性チェックプログラムでは残念なことに「なぜアップグレードできないか」が分かりません。
従って、下記の手順でWindows 11のシステム要件と、あなたのPCの状態を確認する必要があります。
CPU
Windows 11では以下のCPUがサポートされています。
- Intel
第8世代Core以降(Core-i 8xxx 等) - AMD
Ryzen 2000シリーズ以降 - Qualcomm
Snapdragon 850/7c/8c/8cx/SQ1/SQ2
上記の対応CPUは型番別にMicrosoftのページで公開されています。Intelの場合、PentiumやAtomシリーズ等もサポートされているため確認してみるのが良いでしょう。
あなたのPCで使用されているCPUを確認するには、以下のように画面右下の検索欄に「dxdiag」と入力してエンターを押せば簡単に確認できます。
DirectX 診断ツールが表示されたら、プロセッサ欄に表示されているCPUの型番と、上記リンクのMicrosoft公式ページの一覧リストに記載されているCPUの型番を照らし合わせます。
一覧リストに記載があれば、あなたのCPUはWindows 11の要件を満たしています。
以下の例は満たしていない例です。
ちなみにCPUの世代についてわからない方は、以下のページでわかりやすく解説されています。
UEFI/セキュアブート
Windows 11ではこれまで使われてきたBIOSによる起動がサポートされておらず、UEFIによるセキュアブートが要求されています。
- BIOS(レガシ)
サポートされない - UEFI/セキュアブート
サポートされる
あなたのPCの状態を確認するには、以下のように画面右下の検索欄に「msinfo32」と入力してエンターを押せば簡単に確認できます。
システム情報画面が表示されたら、「BIOSモード」と「セキュアブートの状態」を確認します。
- BIOSモード
UEFI - セキュアブートの状態
有効
上記の状態であれば、Windows 11の要件を満たしています。
以下の図は満たしていない状態の例です。
ちなみに、UEFIについては以下のページでわかりやすく解説されています。
TPM 2.0
Windows 11はTPM 2.0がシステム要件となっています。TPMには1.2と2.0という2つのバージョンがあるため、TPMに対応していれば一概にOKとはいえません。
あなたのPCの状態を確認するには、以下のように画面右下の検索欄に「デバイスマネージャー」と入力してエンターを押せば簡単に確認できます。
デバイスマネージャーが表示されたら、「セキュリティデバイス」欄を展開します。
その中に「トラステッド プラットフォーム モジュール 2.0」があればWindows 11の要件を満たしています。
以下の図は満たしていない状態の例です。
なお、TPMはIntelであれば第6世代以降のCPU(正確にはM/Bのチップセット)であれば利用可能である可能性が高いです。
それにもかかわらずデバイスマネージャーで表示されていないのであれば、UEFI(BIOS)設定でTPMが無効化されている可能性があります。
詳細は以下のページにて解説されています。
DirectX 12 / WDDM 2.x
Windows 11ではグラフィックスの要件としてWDDM 2.xに対応していることが求められており、GPUおよびドライバがDirectX 12に対応している必要があります。
- WDDM(Windows・ディスプレイ・ドライバ・モデル)
バージョン 2.x以降(DirectX 12)
あなたのPCの状態を確認するには、先ほどと同様、以下のように画面右下の検索欄に「dxdiag」と入力してエンターを押せば簡単に確認できます。
DirectX診断ツールが表示されたら、「ディスプレイ」タブを選択し、ドライバー欄内の「ドライバー モデル」を確認します。
ドライバー モデルのバージョンが2.0以降であれば、あなたのグラフィックドライバーはWindows 11の要件を満たしています。
以下の例は満たしている例です。
なお、NVidia GeforceシリーズのGPUを搭載しているPCなら、最新のグラフィックドライバーに更新することでかなり旧式のGPUでもDirectX 12に対応させることができます。
これはNVidiaが2017年6月にリリースしたドライバ「GeForce Game Ready Driver 384.76」で、古いFermi世代のGPUがDirectX 12に対応したためで、確認できる範囲では2011年に発表されたGTX 560TiもDirectX 12に対応している模様です。
つまり、Windows 11のシステム要件であるWDDM 2.0に適合しないGPUはほとんど無いということです。
ただし、一部のPCではVPN接続でRDPを使用するためにWDDMを無効化している場合があるため、たとえ新しいGPUを搭載しているとしても上記の確認は必須です。
その他
上記の他、Windows 11では以下の最小要件を満たしている必要があります。
- メモリ
4GB - ストレージ
64GB以上 - ディスプレイ
9インチ以上、HD(720p)解像度 - インターネット接続
マイクロソフトアカウントとインターネット接続が必要
メモリやストレージ容量はタスクマネージャーで確認できます。
解像度については以下の記事で詳しく解説しています。
旧型のVGAディスプレイや小型モニターはWindows 11では対応していないため注意が必要です。
PCの買い替え
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