「ゲーミングPCは自作した方が安い」
まず、あなたにはこれを知ってもらいたい。
しかし、BTOにはBTOなりのメリットはある。
たとえば多少の費用は無駄になるものの、BTOショップで購入することで自作の手間を省くことが出来る。
その他にもBTOショップだけのメリットもある。
検索すれば他のブログなどで数多く出てくるのでここでは割愛するが、このようなメリットがあるため、あなたのように自作ではなくBTOショップで購入を検討する方も多い。
ここではそんなあなた向けに、BTOショップ各社を少し厳しい視点で比較している。
BTOショップ選びで悩んでいるあなたの一助になれば幸いだ。
はじめに
ここでは個人的主観ではなく、値段やパーツ構成、サポートなど、具体的な相違を比較している。
また初めてのBTOでも問題無いよう、数多くの実績があるメジャーな5社をピックアップした。
はじめに結論からご覧頂こう。
BTOコスパランキング
BTOパーツランキング
BTOサポートランキング
ドスパラ – GALLERIA
知名度・販売数ならココ。
価格
後述するが、価格は至って一般的だ。
突出して高かったり安かったりすることはあまりない。
ガレリアというブランドでBTOを販売しているが、むしろ特筆すべきはそのカスタマイズ性だ。
例えばこのモデル。
Core i7-11700搭載に加え、Geforce RTX 3070Tiを搭載しながらも253,000円という価格。
これは自作と比べれば正直微妙ところだが、先述した通り、BTO他社と比べるとカスタマイズ性が非常に高い。
カスタマイズできる項目
- OSバージョン変更
- Office有無およびソフト取捨選択
- セキュリティソフト選択
- CPUファン変更
- CPUグリス変更
- 電源容量およびメーカー変更
- メモリ容量変更
- SSD容量およびメーカー変更
- HDD容量およびメーカー変更
- パーティション分割
- HDD追加
- 光学ドライブ追加変更およびメーカー変更
- ケース変更
- ケースファン変更
- 無線LAN取捨選択およびメーカー変更
これだけのカスタマイズができるBTOショップはなかなか無いだろう。
パーツ構成
ガレリアは主要な部品の型番が不明なことで有名だ。
たとえばCPUファンやグリスなどの構成品のメーカーや型番は記載されている一方、電源はワット数のみの記載でメーカーは不明であったり、マザーボードに至ってはメーカーどころかチップセットの種類すら不明だ。
買ってそれっきりなら良いが、BTOをベースにカスタマイズすることは難しいだろう。
サポート
ガレリアではPC購入時に以下のサポートを追加できる。
- 月額定額支払いによる修理・清掃・買取りサポート(748円/月)
- 延長保証(本体価格の18%/5年)
- 出張初期設定・パソコン設置(16,000円/30分)
- データ復旧(4,400円/3年)
高い。
月額制のサポートなど意味不明だし、延長保証5年に至っては2万円近くの料金である。そのお金で1TBのSSDを購入出来てしまう。
利用する価値があるといえるのは、強いて言えばデータ復旧サービスぐらいだろう。
総評
良くも悪くも普通と言える。
販売台数が多く人気なのは、スタンダードを好む方が多いからだろう。ミドルレンジからハイエンドクラスまで、選択肢が非常に多いのが魅力的だ。
また、ガレリアは最短翌日出荷に対応しており、BTOではかなり早い部類といえる。
特に大きな欠点もないため、もし気に入った構成があればガレリアを選んでもいいだろう。
パソコン工房 – LEVEL∞
LEVEL∞というブランドでゲーミングPCを販売しているのがパソコン工房だ。
液晶のリーディングカンパニーであるiiyamaとコラボしたモデルとなっている。
マウスやキーボードのほか、モニターや映像ケーブル、スピーカー、ヘッドホンといった数多くの周辺機器をセットにできるのが魅力のBTOだ。
ケースサイズから選択できるのも魅力だろう。
価格
Core i7-11700K搭載に加え、Geforce RTX 3070Tiを搭載しながらも税込252,978円という価格。
既に紹介したガレリアのBTOよりもハイスペックなCPUを搭載していながら、価格はほぼ変わらない。HDDは無いものの、ガレリアよりかなりお買い得だ。
マザーボードもガレリアは型番不明だったが、LEVEL∞はZ590というハイエンドチップを採用している。それにもかかわらず価格はガレリアよりも安い。
これはかなり良いといえるだろう。
カスタマイズできる項目
- OSバージョン変更
- Office有無およびソフト取捨選択
- セキュリティソフト選択
- 引っ越しソフト選択
- 動画再生ソフト選択
- CPUグリス変更
- 電源容量変更
- メモリ容量変更
- SSD容量変更
- SSDヒートシンク変更
- SSD・HDD追加
- 光学ドライブ追加変更およびメーカー変更
- 有線・無線LAN取捨選択およびメーカー変更
- 周辺機器追加(スピーカー・ヘッドホンなど)
主要なカスタマイズは可能となっている。
また、先述した通りスピーカーやヘッドホン、モニター、マウス、キーボード、USBメモリなど、ありとあらゆる周辺機器を追加できるのは特筆すべき点だ。
初めてBTOを購入する場合、一度にまとめて購入できるためアリかもしれない。
パーツ構成
ガレリアでは不明だったマザーボードのチップセットの種類が明記されている点が大きい。
しかも搭載しているのはハイエンドチップのZ590だ。
一方でCPUファンの型番が不明だったりと、一長一短な点はある。
しかし全体的にみれば、高スペックなパーツ構成で比較的安価な価格を設定しており、コスパはかなり高いと言えるだろう。
サポート
LEVEL∞ではPC購入時に以下のサポートを追加できる。
- 延長保証(3年/6,600円)
- 出張初期設定・パソコン設置(32,978円)
- 出張修理(365日/5,500円)
出張初期設定・パソコン設置が若干高いものの、他は比較的良心的な価格だ。
特に延長保証は格安といえる価格設定となっており、修理金額や修理回数は無制限となっている。
高額な買い物になりがちなBTOでこのサポートは嬉しい。
総評
ガレリアよりもコスパがよく、保証にも優れる点が評価できる。
カスタマイズ性は一般的で、一部CPUファンなどの型番は不明であるが、パソコン工房は購入検討に値するBTOといえるだろう。
特にはじめてBTOを購入する場合は、周辺機器もまとめてパソコン工房で購入できる点が嬉しい。
マウスコンピューター – G-TUNE
マウスコンピューターが繰り出すゲーミングPC、ブランド名はG-TUNE。
厨二っぽさならダントツ1位。
価格
安価モデルのコスパは正直悪い。
たとえばGTX 1650を搭載した以下のモデルを例にしてみよう。
Ryzen5 3600とGTX 1650を搭載し、メモリ8GB、SSD 256GB構成で税込109,780円となっている。
しかし、パソコン工房ならこれよりも安い価格で、CPU・GPUは据え置きながらもメモリ16GB、SSD 500GBで発売されている。
正直、ミドルモデルはG-TUNEで購入する価値は無い。
しかし、ハイエンドクラスではコスパに優れたモデルもある。
たとえば以下のモデルを例にしてみよう。
Core i7-11700K搭載に加え、Geforce RTX 3070を搭載しながらも税込241,780円という価格。
この時点で、ガレリアよりもコスパに優れることがわかる。
カスタマイズできる項目
- OSバージョン変更
- メモリ容量変更
- SSD容量変更
主要なカスタマイズがほとんどできないのが特徴だ。
電源すらカスタマイズできないのはBTOとしては非常に珍しいといえる。
なお、極一部の高価格帯モデルではCPUファンやグリス、メモリなどのカスタマイズが可能となっている。
パーツ構成
メモリ32GB、Z590チップセット、水冷CPUクーラー付きなど、価格の割にかなりパーツ構成は良い。
一方、電源やCPUクーラーがメーカー不明だったりするなど、一部不安が残る部分もある。
サポート
G-TUNEでは以下の保証を追加できる。
- 延長保証(3年/7,700円)
- 出張初期設定・パソコン設置(31,350円)
- リモート電話サポート(3,300円)
- 破損盗難補償(上限20万円/19,800円)
- 年間2回までのデータ復旧サービス(5年/16,500円)
延長保証以外は高額な印象なG-TUNEのサポート。
必要な保証は揃っているものの、割高感は拭えない。
総評
カスタマイズできる項目が極端に少なく、加えてラインナップも少な目なG-TUNE。
コスパ的にはミドルレンジは購入する価値は無いが、ハイエンドクラスであれば評価に値するものもある。
高価格帯モデルでカスタマイズする気が無いのであれば、購入もアリだといえるのではないだろうか。
外観的に、厨二な人にもおすすめだぞ。
ツクモ – G-GEAR
大手PC販売店、ツクモのゲーミングPCブランドG-GEAR。
公式ページではネット通話によるオンライン案内を受けることができる。
価格
上記のハイエンドクラスのマシンを例にとってみよう。
Core i7-11700搭載に加え、Geforce RTX 3070Tiを搭載し税込247,800円という価格設定だ。
よくみると、マザーボードのチップセットはH570と必要十分な性能、1TB SSDに光学ドライブも搭載している。
コスパ的にはさすがにパソコン工房には届かないものの、コスパと性能のバランスがそこそこといえる構成だ。
カスタマイズできる項目
- OSバージョン変更(OS無しで割引)
- Office有無およびソフト取捨選択
- セキュリティソフト選択
- CPU変更
- CPUクーラー変更
- CPUグリス変更
- 電源容量・メーカー変更
- メモリ容量・メーカー変更
- SSD容量・メーカー・接続方法変更(SSD無しで割引)
- SSDヒートシンク変更
- HDD容量・メーカー変更
- SSD・HDD追加
- 光学ドライブ変更およびメーカー変更
- LEDファン追加
- キーボード追加
かなり踏み込んだカスタマイズができ、メーカーやブランドが明らかになっている。特に、電源のメーカーが明らかになっているのは好印象だ。
また、OS無しやSSD無しで割引が効くのは特筆すべき点だろう。
他のPCやBTOマシンからSSDだけ引っ越しする需要を狙っているように感じられる。
パーツ構成
先述の通り、ほとんどの部品のメーカーやブランドが記載されている。
マザーボードも例外ではなく、ASRock社製H570チップ搭載品が使用されているようだ。
基本スペックも価格相応で、消費者に対する情報公開の姿勢はBTOメーカーの中でもトップだろう。
CPUを交換できる点もBTOメーカーとしては珍しい。
サポート
保証期間は1年となっている。
追加保証は特になく、BTOメーカーの中でもかなり割り切ったサポート体制になっている。
コスパは良く、自分で何とか出来るユーザーにとっては問題ないかもしれないが、初心者ユーザーにとっては不安材料となるかもしれない。
総評
コスパは割と良く、別のPCから引っ越すユーザーに使いやすい割引カスタムも存在する。
CPUのカスタムやLEDファンの搭載もでき、痒い所に手が届くBTOだといえよう。
他のBTOと比べると保証が少なく感じるが、BTO初心者以外の、自分で何とか出来るユーザーにとっては問題ないだろう。
使用している部品のメーカーやブランドもユーザーに公開しており、他社とは一線を画すような、わかるヤツには魅力的に感じるBTOメーカーだ。
STORM
知ってる奴は知っている、老舗BTOメーカーのSTORM。
様々なPCケースから選べるのが特徴だ。
価格
上記のハイエンドクラスのマシンを例にとってみよう。
Core i7-11700搭載に加え、Geforce RTX 3070Tiを搭載し税込244,800円という価格設定だ。1TB SSDに光学ドライブを搭載しているのも嬉しい。
しかしよくみると、マザーボードのチップセットはB560と廉価版モデルのチップを採用している。
一見コスパは良く見えるが、他社と比較するとそこまで秀でているわけではなさそうだ。
カスタマイズできる項目
- OSバージョン変更
- Office有無およびソフト取捨選択
- CPU変更
- CPUクーラー変更(メーカー不明)
- マザーボード変更
- メモリ容量変更
- SSD容量変更
- SSD・HDD追加
- 光学ドライブ追加変更
- ケースファン追加
- 周辺機器取捨選択(キーボード、マウス、キーボードブラシ)
ある程度主要な項目はカスタマイズできる。特にマザーボードの変更は特筆すべき点で、メーカーやチップセットの種類を変更できる点は大きなメリットだ。CPUが変更できる点も大きい。
一方、電源はメーカー不明で変更できず、CPUクーラーは変更できるもののメーカー不明となっている。SSDやHDDもメーカー不明だ。
消費者心理としては、もう一歩情報開示して欲しいといったところだろう。
パーツ構成
マザーボードやメモリ、ケースなど、多くの部品はメーカーやブランドが開示されているが、先述した通りCPUクーラーやSSD、HDDなどのメーカーは不明となっている。
ぱっと見いい感じのパーツ構成に見えなくもないが、細かいところでコストカットしているフシが見え隠れする。
コスパ的にはそこそこだが、特段優れている点や劣っている点は見受けられない。
サポート
2年間の延長保証が6,000円となっている。
他社と比べれば安い方だといえるだろう。
その他のサポートは特にないようだ。
総評
コスパ的には可もなく不可もなく、使用部品やカスタマイズ性も特筆すべき点は少ないBTOメーカーだ。
ケースは有名メーカーの実績があるものを採用している場合が多いため、ケースに拘りがある場合はチェックしてみてもいいかもしれない。
総評
BTOコスパランキング
コスパ1位は圧倒的な強さを示すパソコン工房【LEVEL∞】だ。
ミッドレンジからハイエンドクラスまで、他社を寄せ付けないコスパの良さがある。
特に、本記事で比較したハイエンドクラスでは頭一つ抜けたコスパの良さがあり、オーバークロック対応ハイエンドCPUやM/Bにハイエンドチップを採用しているにもかかわらず、他社と同価格帯である点は素晴らしい。
BTOにおいてコストは誰もが気にする点だが、まずはパソコン工房で検討してみることをお勧めする。
BTOパーツランキング
パーツランキングの1位は同率でパソコン工房【LEVEL∞】とマウスコンピューター【G-TUNE】だ。
同社共にM/Bにハイエンドチップを搭載しており、CPUもオーバークロックに対応したCore i7-11700Kを採用している。
マウスコンピューターは更に32GB RAMや水冷クーラーを搭載、パソコン工房は光学ドライブや電源に800W 80PLUS TITANIUM認証の電源を採用しており、細かい点までこだわり抜いたパーツが使用されている。
カスタム性の点でいえばドスパラにも注目したいところだが、やはり比べてしまうと一歩劣ってしまう。
BTOサポートランキング
BTOサポートランキングの1位はドスパラ【GALLERIA】だ。
月額式のサブスクリプション式サポートは、費用がかさむもののサポート面は手厚い。過失故意でも修理代金無料のセーフティサービスや5年延長保証、出張サービスなど、ありとあらゆる点で手厚いサポートを受けられるだろう。
抜群の知名度も消費者にとっては安心材料だ。
以上、主要なBTOショップの比較を行った。あなたのBTOメーカー選びの一助となれば幸いだ。
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